脱サラ農業は稼げる?成功のカギはビジネスの考え方

脱サラをして農業に取り組もうとする人の割合は、年々増加傾向にあります。しかし、脱サラ農業を始めた人すべてが成功を得られるというわけではありません。そこには、やはり経営の得手不得手があり、成功する人もいれば失敗する人も出てくるということです。それでは、こうした違いはどこから生まれてくるのでしょうか。脱サラ農業で稼ぎを得るためには、やはり時代にあった経営方法を探る必要があるといえます。ここでは、脱サラ農業はどのくらい稼げるものなのか、稼げる農業とそうでない農業の違いはどこにあるのかなどについてご紹介します。

脱サラでの農業経営の写真 農業に参画する人や企業が増えている!

一昔前までは、農業は法律でかなり保護されていました。農業をできるのは個人や農業生産法人に現地されており、そこに一般企業が参入することが難しかったのです。ところが、農地法の改正により、一定の条件を満たすことでさまざまな企業が農業に参画することができるようになりました。こうした状況は農業の体系を一変させ、これから新しい農業が始まろうとしているともいえます。このように、農業への参画のハードルが下がるということは、脱サラして農業に取り組もうとしている人にとっても、大きなチャンスや可能性があるということです。実際、そのような人を支援するための給付金制度も充実してきています。たとえば「青年就農給付金」は、条件を満たせば最大150万円の給付金を受け取ることができるようになっています。こうした取り組みは、減少する農業人口を増やす効果をもたらしてくれるでしょう。しかし、農業への参画のハードルが下がっている一方、農業経営を取り巻く環境は必ずしも好ましい状況が続いているとはいえません。

脱サラでの農業経営の写真 農業経営の実態!農業は格差の大きい世界

農業は売り上げ格差の大きい世界です。つまり、脱サラしても稼げるかどうかはかなり未知数な世界だということです。実際、平成27年のデータでは年間の売り上げが100万円未満しかなかった農業経営体は約68万戸にも上ります。これは全体のなかでもかなりの割合を締め、農業経営が簡単ではないということを示す内容になっています。しかも、純粋な利益として考えると、この売り上げからさらに経費を引いて計算しなければならないため、純利益はさらに小さな金額になると考えられるでしょう。もちろん、年間売り上げが100万円を切るような農業経営体の場合、たとえば農業以外の事業を営んでいたり期間限定で農業をやっていたりなど、さまざまな事情があるものと考えられます。しかし、こうした数字は脱サラ農業を始めようと考えている人にとっては足かせになるようなデータといえるのではないでしょうか。ただその一方で、売り上げが1億円を超える経営体が急激に増えているというデータもあります。脱サラ農業を成功させるためには、この売り上げの差のカラクリを理解する必要があるといえそうです。
引用元:http://www.rakumachi.jp/news/archives/148184

農業にビジネスの考え方を取り入れよう

農業もビジネスの一環です。そこでは、経営努力が売り上げに大きな差を生みます。特に高い売り上げを実現している経営体は、それまでの農業とはかなり異なる経営をしています。たとえば、営業です。一般的な農家は、収穫した作物を地元の農協に出荷しますが、より高い利益を獲得するためには自分で営業をかけて販路を拡大していくという経営努力が欠かせません。こうした営業力をいかんなく発揮するためには、需要と供給を見極める経営者の目も必要になってくるでしょう。たとえば、海外のレストランでよく使用される農作物は、日本では生産量が少ないということもあります。たとえば、タイ料理に欠かせないパクチーや、ロシア料理の定番食材ビーツなどは、日本で生産している農家はあまりありません。それだけに、需要の可能性も大きいのです。このように、需要と供給のバランスを見極め、自らそうしたレストランなどに営業をかけて販路を拡大するというビジネス力こそ、農業での成功と失敗を分けるポイントになるといえます。こうした経営努力をしていけば、たとえ脱サラして小規模な農家を営んでいたとしても、十分に利益のある農業経営をしていくことができるはずです。