こんな働き方が?イマドキ農業ビジネスの形とは!

なぜ働くのか、どのように働くのかという疑問は、社会に出てから一度は考えることがあるかもしれません。会社に就職して日々仕事をする毎日のなかで、このままでいいのか?と現状に対する漠然とした不安にかられることもあるでしょう。そのような不安定な状況で、脱サラして農業を開こうとする人が増えてきているようです。農業経営と聞くと、昔ながらの百姓仕事というイメージを持たれがちですが、実は、さまざまな経営の形があるのです。

脱サラでの農業経営の写真 大きく分けて二つ!農業起業のパターンについて

農業を起業するといっても、どのように事業展開をしていくのか初心者ではイメージがつかないかもしれません。農業はITや工場などとは違い、自然の植物や生き物を育てていくという特殊な側面があります。いわば、命と向き合うということです。そのような特徴があるため、サラリーマン時代に培った働き方とは異なる部分が多いのです。農業の起業は、大きく分けて2つあります。農業を起業する形としてすぐに思い浮かぶのは、自分が直接農作物を育てるという形態でしょうか。高齢者に話を聞くと、「昔はよく田植えや稲刈りをして、腰が曲がってしまった」というようなエピソードが聞かれることがありますが、工業が盛んになる前は農業が一般的な職業であり、市民に浸透していたのです。このように、自分の土地を活用して、自分で田んぼや畑で作物を育てるという起業パターンがあります。もうひとつの企業形態は、農業に関連した業務を行うことです。関連した業務とは、農作物を売り出すために場所を提供したり、インターネットなどを利用して宣伝などを行ったりすることが挙げられます。

脱サラでの農業経営の写真 自分で農作物を作る!

農業の王道ともいえる起業形態は、自分が生産者になることです。土地を確保・整備し、農作物を仕入れてそれらを育てていくことになります。牛や豚などの畜産でも同様の流れが必要です。この経営パターンの醍醐味といえば、やはり直接農作物を育てる喜びを実感できるという点ではないでしょうか。自分で丹精込めて育てた作物が、消費者に認められ行き渡ったときの感動は、農業のやりがいのひとつといえるかもしれません。そのような過程を通じて、命のありがたみや作物への愛情を感じるなどの感受性が育まれていくのでしょう。自分の作った作物が世間に認められ、「~のトマト」「~のリンゴ」などのようにシェアが広がれば、十分に利益を出すことも期待できます。しかし、自分で農家を経営していくうえでは、広大な土地や施設を購入する必要があり、莫大な初期投資を求められる場合が少なくありません。また、農業は薄利多売という経営状況に陥りやすいという傾向もあるので、一概にはいえませんが農業経営は比較的リスクの高い選択といえるでしょう。そのような困難に負けないやりがいや使命感を持って取り組むことができれば、立派な農業経営者といえるのではないでしょうか。

作るだけが農業じゃない?新しい農業のビジネスモデルとは

これまでは、直接農作物を育てるという起業パターンが主流でしたが、文明の発達にともなって少しずつ形態が変わってきています。それは、農業周辺ビジネスという働き方です。農業は、農作物を作ることだけが仕事ではありません。土地を確保する、農作物の資源を仕入れる、収穫した作物を売り出すなど、さまざまな業務が絡んでいます。この過程に仕事の可能性を見出し、ビジネスとして発展させたものが農業周辺ビジネスと呼ばれるものです。例えば、農作物を販売するにあたり、ネット通販などのITを利用して売り出すことは農業の周辺ビジネスといえます。より消費者の購入を促すためには、近所のスーパーや農協へ営業に行くだけでは不十分なことが多いかもしれません。どれだけ良い作物を作っても、存在に気づいてもらわなければ勝負すらできないのです。そのような、売り手と買い手の隙間に携わることを仕事としていく方法もあります。農業周辺ビジネスは大きな可能性を秘めており、新しい農業の形を示してくれるかもしれません。