食の安全と外国産農作物

gum08_ph11020-s注目される食の安全

本題の農業改革を語る前に、昨今重要な議論となっている食の安全を考えていきましょう。ここ数年、生食肉での集団食中毒、死亡事件や、食品偽装問題、中国の輸入食品における毒性など、さまざまな食の安全をめぐる事件がありました。デフレ化した日本経済で、安く品質の悪い食品が多く流通したため起きてしまった事件で、大きな社会問題になりました。これらのことから、安くても危険な食品は食べたくないという意識が大きくなってきました。昨今、食の安全は食品を選択する際に、多くの日本人が意識するテーマとなりました。

外国産食品の落とし穴

安い食品を選ぶ際、外国産を購入する人も多いと思います。しかし、外国人は日本人とは全く違う価値観の人種です。たとえば、農業に関しても、日本人と同じ安全意識を持っているかどうかは実際に生産者の生産方法を見ないと判断できない状況です。国の検査は実施されますが、実際にどの期間、どの薬剤を使って育成されたのかまで、細かく調査するのは困難です。ですので、やはり安い野菜や肉などの食品には裏があります。たとえば、遺伝子組み換えであったり、抗生物質だらけで育てた肉であったりします。これらは、安全性が保証されてない上、価値基準の違う外国人が作ったものなので、安心して食すことは出来ないのです。

安心できるのは生産者が見える国産

では、食の安全の基準を満たすのはどのようなものでしょうか?やはり、生産者がどのような方法で育てたのかが分かる国産の食品、ということになります。しかし、手間のかかる丁寧な育て方で育てられた食材は、安心して食べられる、高品質なのは良いのですが、やはり高価になってしまいます。これでは、富裕層にしか良い物は届きませんし、いつまでも低所得層は危険な食材を食べることしか出来ません。たとえば農業において、この流れを変えることは本当に出来ないのでしょうか?これらを阻むのは、日本が抱える農業の構造的問題にも起因しているのです。