米国に見る農業の合理化と質

gum08_ph05011-sアメリカ式の農業とは

アメリカで生産される主な農作物と言えば、トウモロコシ、小麦、大豆などが挙げられます。アメリカでは、1950年代以降、農業の工業化と大規模な農業企業が広大な敷地で、低コストな生産を可能にしていきました。たとえば、農薬散布もヘリコプターを使ったり、機械化、工業化が人件費コストを縮小し、莫大な生産量を誇る大規模農場を少人数の労働者で管理するといった農業モデルが完成しました。

アメリカ式農業の危険性

しかし、大量に農薬を使用したり、遺伝子組み換え作物を利用するなど、アメリカ式農業で生産された農作物には人体への影響も懸念されるものが多々あります。大量に収穫する訳ですから、確実に育成する必要が出てきます。そのためには化学肥料や農薬、害虫に強い遺伝子組み換え作物の必要性は非常に合理的です。しかし、前項でも述べた、食の安全が謳われる中、これらの農作物は本当に安全、安心なものと言えるでしょうか?また、アメリカ式大規模農業は、土地の使い捨ても問題になっています。これらは、大量に使用する農薬、化学肥料のため20年程で塩害が起こり、その土地では農業が出来なくなってしまうためで、大きな環境問題としても指摘されています。

日本型農業との比較

日本の農業は生産性よりも、安全性、質に重きが置かれてきましたので、大規模農業という手法は取られず、小規模の農業従事者が小規模の農場を管理するという手法が主流でした。しかし、これには手厚い保護が必要で、事実上補助金がないと収益を上げられない厳しいものであることも理解しなければなりません。事項で述べますが、グローバル経済を推進する外国からは、この手厚い保護を辞めるよう迫られています。もし今のまま補助を無くしたら、多くの農家は窮地に追い込まれるでしょう。そうならないために、日本は少しアメリカの農法を見習う必要があるでしょう。ただし、いかにデメリットである農薬、環境問題を少なく事業するかが焦点かと思います。