デフレと食と日本の農業

OLYMPUS DIGITAL CAMERAデフレが日本人の食も変えたこと

長いデフレ経済で、日本人の食に対する考え方も変わりました。牛丼屋は値下げ勝負で原価ギリギリの食品を販売し、消費者は給与が上がらないためこれらを歓喜して受け入れました。安くて、そこそこのものが食せることを知ってしまったのです。当然、お金をだせば良い物を食せることは誰しもが解っていることです。しかし、富裕層以外は厳しい家計に苦しめられ、安い物を求める癖がついてしまいました。

食のデフレ化がもたらすもの

食のデフレ化は、もちろん原価を極限まで下げることで可能になりました。酷い業態では人件費もギリギリに抑えるため、繁忙期も少ない人間で回さなければならなくなり、ブラック企業という固有名詞も生まれました。食のデフレ化は、質の低い食材を利用することで可能になります。たとえば、外国産野菜や外国産の安価な肉類、加工食品を使うことで販売価格を抑えることが出来ますが、これらは安全基準、農薬の使用量など不安の残る食材でもあり、自身の健康と交換に安い食品を選ぶ事になります。要するに、安い物には必ず裏があるということなのです。

食のデフレ化から脱出するには

しかし、一度安いという概念を経験してしまったらなかなか高い物を見れなくなります。これらを解消するためには、給与所得の上昇、景気の向上しか方法はありません。安かろう悪かろうでも、お金がなければそれしか選択肢が無いのです。しかし、これからの日本の将来、以下に掲げる農業の合理化で、もしかしたら比較的安価で、質の高い農作物の生産が可能になるかもしれません。ポイントは、大規模農業と農業の抜本的合理化改革、グローバル化です。これらの手法は欧米や、中南米では主流な方法でしょうが、日本には土地の問題や、農薬の問題などで今までは厳しい物とされてきました。ただし、これから迎える少子高齢化を逆手に取り、大規模農業が可能になる方法があるのです。