日本の農家は本当に保護されていると言えるのだろうか?

日本の農業は、国に手厚く保護されているといわれています。保護されている理由のひとつとして補助金の充実が挙げられますが、実際にはどうなのでしょうか。日本の農業に対する国の対応が本当はどうなのかを、海外の場合と比較して真実を考えていく必要があります。農家が安定して良質な農産物を生産できるということは、国民の食の安全と充実を図るうえで重要です。日本の農業は国にどれくらい保護されていて、かつ安定性があるのでしょうか。

農業の支援情報の写真 日本の農業は補助金漬けと言われている根拠は?

日本の農業が保護され過ぎているといわれている理由のひとつが補助金です。日本では現在農業を始めようとする人、または経営を考えている人に対して資金を交付しています。その交付金とは「農業次世代人材投資事業」というもので、「準備型」と「経営開始型」があります。「準備型」は、これから農業に従事したいと考えている人に一定の条件を満たしていれば交付されるもので、教育機関や技術習得のための研修に充てるのが目的です。「経営開始型」は農業の経営を行う人に対して交付されるもので、経営確立のための支援を目的にしています。「準備型」は年間150万円を最長2年間、「経営開始型」は年間最大150万円を最長5年間交付されます。しかし、これには落とし穴ともいうべき条件も付いており、その条件が満たされない場合には交付金を返還しなければなりません。また、申請の条件も細かい設定がいくつもされているため、すべての条件に該当するのが難しく、実際には活用が難しいことが考えられます。よって、日本の農業が手厚い補助金で守られているとは断言はできないのではないでしょうか。

農業の支援情報の写真 日本の農業に対する批判の情報は本当か?

日本の農業は国の補助が充実しているという噂や、手厚い保護で守られていると批判がされることがあります。また、JAに対しても日本の農業に良い影響を与えていないかのような批判が出やすくなっています。しかし、上述したように実際には実用性の低い交付金が用意されている程度で、補助金が充実しているとはいえないのが現状です。むしろ、国が参加を表明し、交渉のテーブルについたままのTPPによって日本の農家が今後どうなっていくか危惧する声が高まっています。日本の農業を守るために、TPPへの参加で不利益な事態にならないよう、国に対して交渉を続けているのはJAをはじめ農林水産業に関係する団体です。補助金といい、日本の農家やそれを取り巻くJAをはじめとした団体が批判を受けることは、間違った情報によることがほとんどといっても過言ではありません。つまり、嘘の情報によって、日本の農業は守られた環境にあるというイメージが作られていることになります。

農業産出額に対する予算割合を海外と比較してみよう

では、国が農家の安定経営に対してどれくらい関心を持って実際に取り組んでいるのか、欧米諸国と比較してみましょう。国が発表している農林水産予算総額を見ると、2016年度は23,091億円となっています。2017年度は26,350億円で、前年度より114.1%という伸びを見せています。日本の農業予算の割合は全体の27%ですが、海外はどうでしょうか。アメリカは65%、スイスは62%、そしてフランスは44%でイギリスは42%です。ほかの先進国と比較してみると、日本の農業への予算割合は低い水準であることが分かります。これらのことからいえるのは、日本は決して農業に対して手厚い対応をとっているということはいえないということです。これから農業に従事したいと考える人に対しても、また経営を安定させたいと考えている農家に対しても、補助金が充実しているという印象は持てません。いろいろな噂は出ていますが、日本の農業はまだまだ厳しい状況に立たされているということがいえるのではないでしょうか。
引用元:http://www.maff.go.jp/j/budget/2017/attach/pdf/index-60.pdf