やっぱり大変?農業分野の移住の現実を知る

農業に新規参入する人には国のサポートがつくなど、国をあげて農業を広めていこうとする動きは強まっています。そして、都会から農業分野に移住する人も増えてきています。移住施策も強化されてきており、農業への転職は特別なものではなくなってきました。しかし、その実態は厳しい部分もあるのではないかと不安に思う人もいるでしょう。参入する前に農業の実態は知っておきたいところです。ここでは、農業の直面する現実について解説していきます。

農業の支援情報の写真 6~7万人以上が農業分野への移住を決めている

農業人口が下がると国の自給率は弱まり、輸出入において世界の遅れをとってしまいます。そのため、政府は日本国内で農業に従事する人達を増やそうと、さまざまな対策をとってきました。その結果、努力は身を結びつつあり、徐々に農業人口は回復の兆しを見せています。2014年度の住民基本台帳移動報告を見てみると、都市部から農業分野への移住が多く記録されていることが分かります。3大都市圏から農業が盛んな地域への移住は6万人に上り、21大都市から農業分野への移住は6~7万人に上りました。農業は生活と密着しているタイプの産業です。本格的に農業で収入を得ようとすれば、都市圏から通うと継続が困難です。農業分野に移住してきて、毎日農業のために働くことは不可欠です。こういったデータを眺めていると、単なる趣味ではなく専業農家として農業に向き合っている人が増えていることが分かります。かつては気分転換に農業を行う人もたくさんいましたが、農業はいまや転職先のひとつとして大きな選択肢となりつつあるのです。
引用元:https://www.iju-join.jp/feature/file/028/02.html

農業の支援情報の写真 農業のためにどのような移住施策が行われているのか

農業人口の増加には、自治体が行っている移住施策の存在は見逃せないでしょう。具体的な方法としては、まず相談窓口を役所などに設置することが挙げられます。新規の農業参入者からすれば、新しい土地で働く際に分からないことだらけです。農業の手順を教えてくれる人もなく、不安を引きずったまま移住してきても長続きはしないでしょう。そこで、移住者が多い地域では自治体が農業に関してサポートできる環境を整えている傾向があります。生活面での問題をクリアにしていくことも大切です。都市圏から移住して来る人は生活水準が下がることを恐れています。医療制度はしっかりしているか、学校の教育レベルは保証されているか、若い夫婦であれば出産の設備も整っているか気になるところです。こうした問題点を解消し、ホームページやパンフレットなどで積極的にアピールすると、移住のハードルは低くなります。また、体験ツアーなどで地元の良さを知ってもらう努力をしている自治体も存在しています。自治体の広報力は移住者の招致に向けて大きな影響力を及ぼすでしょう。

移住者のどれくらいが農業に従事してくれるか

自治体が都市圏から移住者を招致したとしても、そのすべてが農業に従事してくれるわけではありません。農業の魅力をしっかりと伝えて、新規参入者を増やす努力は不可欠です。自治体の魅力と農業を結びつけた宣伝が必要とされているといえるでしょう。平成26年度の調査によると、ひとつの自治体あたりの販売農家に新規参入した人の数は平均で1.5人でした。また、自給的農家の人数は0.4人でした。一部の地域では大量の新規参入者を確保できている一方で、多くの自治体では思うように農業人口を増やせていない現実がありそうです。そこで、農業研修生というシステムも見られるようになっています。すでに存在している専業農家に研修という名目で働いてもらい、農業のノウハウを学んでもらうという制度です。同じ調査では、年間1.3人の研修生がひとつの自治体に参入していると計測されています。研修期間が終われば正社員として農家に留まることもありますし、自ら起業するケースもあります。自治体の農業人口を増やす努力はこれからも続いていくことでしょう。
引用元:https://www.iju-join.jp/feature/file/028/02.html