大規模農業を行うなら、現実を見据えて挑戦しよう

自分たちの食べる作物を自分たちで生産する農業は、やりがいのある仕事として注目を集めています。サラリーマンに疲れた人が、農業で第二の人生を目指すケースも見られるようになりました。もしも実家に土地が余っているなどの条件に恵まれていれば、大規模な農業で利益を上げることも可能でしょう。 しかし、決して農業は簡単な仕事ではないので慎重に計画をすることも大切です。ここでは、大規模農業の内容や問題についてまとめました。

今後の農業について大規模農業では売上も増えていく

田舎に行くと土地の価格が下がるため、貯金をはたいて農地を買おうと考える人もいます。また、実家に代々、使わないまま放置されている土地があるとすれば農業を始めることで有効活用するという手段もあるでしょう。 その場合、大規模農業を始めることで莫大な利益を上げようと考える人もいます。大規模農業では自分たちが生活するぶんの作物だけを作るのではなく、作物を大量生産して儲けを出すことが目的です。中には、企業化している大規模農家も珍しくなく、たとえば北海道のように土地もあり、名産物も豊富な環境であるなら大規模農家も数多く見ることができます。 大規模農業では、生産数が増えるので、当然売上も増えていきます。年間の生産計画を作成するのがこれまでの手間でしたが、現在では生産管理ソフトの助けを借りて仕事をすることもできるようになりました。ビジネスの知識に優れ、農業に新規参入してくる人も、大規模農業によって収入を得ようとするケースがあります。理論上は、規模を大きくすればするほど儲かると予測できるからです。

今後の農業について農業のリスクにも目を向けよう

ただし、実際には多くの大規模農家が、莫大な利益を上げることなく、必死に生き残っているのが現状です。ましてや、新規参入の農家であれば、いきなり利益を上げることは難しいでしょう。むしろ、能力以上に事業を広めてしまい、大きな赤字を出してしまう可能性すらあります。 その理由は、大規模農業には常にリスクがつきまとうからです。まず、大量生産すればするほど、市場価値が下がります。量が多くなるだけ、単価を下げて売らざるを得ないのです。また、初期段階から量と品質を両立させるのは至難の業であり、新規参入者は買い手から評価を得られずに苦しむことになるでしょう。 大規模農家の支出の多さもリスクの一部です。施設、機材、人件費など、大きな農園を持続させていくには、常に出費が重なります。機材や施設の修理など予測できない出費もあるうえ、天候などの不確定要素で収穫量は変わります。どんなに精密なプランを考案したとしても、当初に思い描いていた事業計画どおりに物事が進む確証はどこにもないのが農業なのです。

慎重にできることから始めよう

農業で成功したいと思うなら、最初から規模を大きくするのではなく、できる範囲で確実に作物を生産することから始めましょう。たとえ、最初はわずかな生産量であったとしても、品質が高ければ業界内の評価は定まっていきます。すると、売値が徐々に高くなり、無理をして生産量を増やさなくても、一定の利益が上げられるようにもなります。規模を広げるのはそれからでも遅くないでしょう。 設備や機材の投資にも慎重になることをおすすめします。確かに、大規模農業には設備投資が不可欠ですが、経営者に使いこなせるだけの経験とノウハウがなければ宝の持ち腐れになってしまいます。投資に目をくらませるのではなく、まずは農業の真髄を理解することが肝心です。 あるいは、事業計画に自信がある人なら、ノウハウを商品にして販売するという手段もあります。そして、自分以上に農業の技術を持っている人に生産を担ってもらい、売上の何割かを得ることで収入を得るのです。大規模農家として生きることは予想以上に大変な道なので、実行する前に深く考慮することが肝心といえるでしょう。