耕作放棄地と取組み、福祉等

現在、農業に従事する人口は65歳以上が全体の60%以上と高齢化が進んでいます。その上新しく就農する若者も少ないため後継者もおらず、現在の農業従事者が引退するにつれて耕作放棄地が増えている状況です。耕作放棄地が増えると、食料自給率が下がることによって輸入に頼る割合が増え、食糧危機へのリスクが高まります。また、雑草や害虫が増えることによる周辺農地への悪影響や、野生動物の活動範囲が広がることによって、猪や熊などの動物が人の生活するエリアに出没するケースも増えます。
そんな耕作放棄地問題を解消するために、様々な取り組みを行う農業公社や民間企業などが徐々に増えてきています。福祉の分野でも、農作業が障害者にとって身体的、精神的にリハビリ効果があるとして、就労活動に農業分野の仕事を取り入れ、障害者の就労促進と農業の高齢化や労働力不足の問題に対応しようとする動きが増えてきています。ここでは、「耕作放棄地と取り組み、福祉等」についての記事をご紹介しています。

年々増えていく耕作放棄地

年々増えていく耕作放棄地

65歳以上が全体の60%以上 近年農業と聞くと、都会に住む人や土地を持たない人たちが、郊外に市民農園などを借りて農業をするとか、自宅の庭を開墾して家庭菜園をしているとか、家族ぐるみで楽しく野菜作りをしている微笑ましい話をよく聞きます。こういう形でも農業に携わる人が増えたことはとても良い事ですが、その反面地方などで農業を営む農家の人口は年々減ってきていて、昭和30年代のピーク時に比べると半分以下になっています。 農業に従事する人の年齢も65歳以上が全体の60%以上で、若い人の手がどんどん遠のいているようです。 先祖代々受け継いできた畑や田んぼを守ろうと、60代 70代 80代の高齢者が一生懸命がんばっています。たとえ高齢でも長年の経験があるので、トラクターやコンバインなどの大型の機械を扱って農作業をしていますが、またその反面、高齢化による農機具での事故も多くなっています。 そんな点からも、親達の技術を受け継いで世代交代するのが理想的なのでしょうが、現実は難しいようです。 耕作放棄地や遊休農地 農地を守っている親世代が亡くなると、サラリーマンなどの会社務めをしている子供世代はなかなか農地の

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耕作放棄地解消への取り組み

耕作放棄地解消への取り組み

農業公社 年々減っていく農業の担い手、増える耕作放棄地や遊休農地など、農業というとあまり将来的にも明るいイメージがないように感じてしまいます。 そんな農業のいろいろな諸問題を解決するため各地に農業公社があります。 一般財団法人 社団法人、公益財団法人 社団法人と法人の区分はそれぞれですが、農業者 農業関係団体 商工業者と行政の関係機関が連携して、農業に関わるすべての人を応援しサポートするという目的で運営されています。 農業の問題と言っても農家だけの問題ではないので解決に向けていくためには、関わる いろいろな機関の情報の共有はとても重要になってくると思います。 各地域や団体によって活動は様々ですが、具体的な取り組みの一つとして、耕作放棄地の解消対策があります。 耕作放棄地の解消対策 耕作放棄地や遊休農地を公社が数年単位で借入れをし、草刈りなどの管理をしながら農地面積を集約して、新たな借り手を探すという農地利用集積円滑化事業という活動です 農家にとっては、手を付けられない荒れた農地を管理して借り手を探してもらえるわけですからとても助かり、また新しい借り手が見つかった場合も、集約した単位で借

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生産者の手から消費者の手へ

生産者の手から消費者の手へ

流通経路 農家が作物を作りその作物が消費者に届くまでの流通経路はいろいろあります。 農家―地域のJA(選果場)-卸売市場-仲卸業者―小売店―消費者というのが一般的なルートで、野菜の70%前後、くだものの50%近くがこの卸売市場を経たルートで取引きされています。重量単位での取引になるので、大量収穫 大量出荷の農家にとってはこのルートが一般的のようです。ただ農家から消費者に届くまで中間業者が多く、それぞれに手数料がかかるため生産者にとっても消費者にとっても最終的な金額に反映されてしまいます。 流通経路としては他に、契約販売による農家―集荷業者―小売店、農家―小売店そして農家から直接消費者へなどの、卸売市場を通さないルートがこのところ増えてきているようです。 直売形式でいうと、JA店舗内の生産者コーナーや、道の駅に設けられている農産物直売所 またインターネットによる注文、配送も多く、できるだけ取れたての新鮮野菜を求める消費者のニーズによるものだと思います。 道の駅 中でも道の駅に関してはここ数年徐々に増え続け、H26年には全国に1030か所あるとのことです。道の駅は本来、行楽途中の休憩所、地

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伝統を守る若い力

伝統を守る若い力

伝統を守る若い力 農業では若い世代の担い手が少なくなってきていて、農業の将来性への不安が年々増しているのが現状のようです。 そう言われている中、全国にはその土地ならではの伝統的な作物を守るためにがんばっている、20代 30代の若者が集まる地域もあります。 親たちが、手のかかる作物にこだわりを持ちながら作っている姿をみて、また高齢の祖父母が昔ながらの農法で作物を大切に作る姿をみて、または、テレビ番組で後継者のいない地域の取り組みを見てなど、理由はそれぞれだと思いますが、何か感じるものがあったり、きっかけがあったりして農業に携わる事を自ら選んだのだと思います。 たった一人で農業に入って行く人、また何人かのサークルとして積極的に行動する姿は、メディアを通して見聞きすることがあります。 webの活用 米作りが盛んな地方の米農家では、地域の後継者が集まりプロジェクトをつくり、ホームページやブログなどソーシャルメディアを活用して、生産から販売を大きく広げていくような活動を試みているところもあります。 同じ志を持つ仲間がいるというのは、農業の楽しさも苦労も共有できて、もっと良い物をもっと多くの人にと

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農業と福祉の関係

農業と福祉の関係

労働力不足 近年の農業の高齢化や労働力不足の問題に対して、福祉分野が農業への取り組みを推進することで、こうした問題を改善、解決に向けていこうとする動きが増えてきています。 社会福祉法人は、農作業が障害者にとって身体的、精神的にリハビリ効果があるとして就労活動に農業分野の仕事を取り入れ、障害者の就労促進と農業の問題に対応しようとしています。 障害者の雇用問題の面からみると、全国の民間企業で働く障害者の割合は2,0%の義務に対して1,69%、農業分野では1,81%と農業への関わりが多くなってきているのがわかります。 一般企業への就労の場合、専門的な知識や技術の習得のための訓練が難しかったり、企業側の障害者に適した仕事の確保が難しかったり、受け入れの環境が整っていないなどの問題で、なかなか実際の仕事に結びつかないという現実があるようです。 また障害者の雇用義務化を受けて、そのための特例子会社を設立するところもあります。 農業分野の仕事を取り入れ、障害者の働きやすい場を作ろうとしている企業も増えていますが、社会福祉法人と違い、資金面で福祉関係からの援助がないため赤字になるケースがあるなど課題も

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一番身近な新鮮野菜

一番身近な新鮮野菜

農業のなかでも一般の人が一番身近で親しみやすいのが、家庭菜園やプランターでの野菜作りです。 小学校の授業でも田植えを経験したり、さつまいもやジャガイモを栽培したりして土に触れる事や、命ある作物を育ててそれをおいしく食べるという食育が取り入れられています。 家庭菜園で野菜作りを始める場合、最初は比較的初心者でも育てやすい、ミニトマト ピー マン じゃがいも サツマイモ 小松菜 ホウレンソウなどの、春植えの作物から始める 人が多いかと思います。 一口に野菜を作るといっても畑で作付けする場合は、土が酸性になっていないか、それによ って石灰や堆肥、肥料などを配合して十分耕し、前年に作った作物との連作障害を防ぐため 作付けの位置を替えたり、また面積によっては耕うん機などの農機具も必要になったり、結 構手間のかかる事があります。その分、作物の収穫量も多く長い間食べる事ができますが 今はそんな畑を持たない人でも、プランターなどを使えば手軽に野菜作りを始めることが 出来ます。土と堆肥と肥料の割合など考えなくても、野菜用培養土を買って利用すれば、 どこでもすぐに始められます。 プランター栽培は、毎日の水

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