ブランド野菜の開発、販売戦略

growing_onion_206910プロモーション戦略としての農作物のブランド化

では、国内のプロモーションの手法として、どのようなものが挙げられるでしょうか。たとえば、関サバや関アジを考えてみましょう。これらは、下関の豊穣な海で育った、他のアジやサバと比較しても脂の乗りが強く、非常に美味しいとされるブランド魚です。これは、商品のブランディングで成功した例で、高価な価格帯ながら、食味、品質が非常にハイレベルなため売れ筋商品となりました。農作物においても、古くは小松菜など、栽培地域にちなんだ農作物も存在しますし、京野菜といった独特のブランド性を持つ野菜も存在します。やはり、ただ単なる商品としてではなく、その地でしか取れない、であるとか、その地方で生育したため品質が高くなる、といった付加価値が必要になってきます。農作物や海産物、畜産物のブランド化は消費者にとっても分かりやすい販売戦略ですし、なにより選択肢が増えることで、マーケットの拡大が望めるプロモーション戦略であるともいえるでしょう。

ブランド化とイベント、媒体でのプロモーション

ブランド化がマーケット拡大に寄与する手法であることは分かりましたが、ただ単にブランドを立ち上げれば良いと言うものでもありません。これに際して、農業に従事する企業が発案する場合は、予想収益と広告投資費用が必要になります。具体的にはテレビCMを企画したり、たとえば料理雑誌とのコラボレーション、スーパーマーケットでの試食会や地域特産品の紹介イベントなど手法はさまざまです。また、個人農家でこういったブランド化を実行することは、広告費などは莫大になってしまうので、その地域の町おこし的位置づけとしてブランド化を発案し、行政と一体となって予算を獲得し、農家全体で収益を上げるのが良い方法です。また、昨今はインターネットやスマートフォンといった情報技術の普及で、日本全国どこでも情報を得られる時代になりました。そういったメディアを利用して、農作物のブランド化や購入希望者とのマッチングサイトを立ち上げるのも、とても効果的なプロモーション手法であると言えます。