農業とJA

a0027_0013154つの柱

農村では今、4つの柱で農業再編を推し進めています。 1つは、中規模経営を行う農業法人や株式会社などの「法人」です。 2009年12月の農地法改正で、企業の農業参入が始まりました。 2011年の法人数は12,000社を超えています。 2つ目は、「認定農業者」の中核農畜産経営体です。 半数の経営体が、従来の稲作の他に、果樹や花卉、畜産や酪農など複合経営を行っています。 3つ目は、ある一定地域の農家が集まり協力して、「集落営農」を営む人たちです。 個々で営んでいた時に比べ経費の削減や労働時間を減らすことに成功し、所得の向上にもつながっているようです。 最後に4つ目は有機栽培を推進する「エコファーマー」です。今、環境に配慮した持続可能な農業を求める声が多く上がっており、化学肥料や農薬を抑え、堆肥による土づくりを行う人が増えてきています。平成26年4月現在、東京都エコファーマー制度の認定者数は390人、導入面積309haとなっています。 以前の農業従事者は、農業資材や技術提供を始め、融資も含めて一括で農業協同組合JAにお願いする形をとっていました。しかし今は上記のような法人や認定農業者、集落営農人など各々が農業改革を推し進めており、JAのあり方も問われています。

JAについて

JAは現在、経済事業(JA全農)、信用事業(JAバンク)、共済事業(JA共済)の3つの事業を展開しており、全国におよそ700の地域農協を持っています。 事業規模はどれも大きく、2012年の段階では、JA全農は大手商社に次ぐ第4位で売上は約5兆円、JAバンクの預貯金は大手都市銀行に次ぐ第3位の約90兆円、そしてJA共済はおよそ50兆円となっております。農家人口は約250万人ほどですが、組合員はその4倍約1,000万人にのぼります。 JAの経済事業は慢性的な赤字を抱えており、信用事業と共済事業の黒字で穴埋めして成り立っている状況です。 JAは、経済事業と金融事業の2事業を一緒に行っているため、農家はJAからお金を借りる際に、高い農材の購入をせまられるケースもあるようです。 また、JAの農産物の販売価格は安すぎるという声もあがっています。 そうした不満を解消すべく、地域農協ではもっと割のいい購入・販売ルートを独自で見つけ流通を行っているところもあります。農業法人や認定農業者、集落営農人などは農村の所得向上を掲げ、都市と農村の格差をなくすべく交流をはかり学び合い、理解する努力を行っています。一方JAは質的改善の努力を怠り、価格やサービスの点で地域のニーズに答えられなくなっています。 政府は今年、集中的にJA改革に乗り出しました。 JAは農家の支援と育成という本来の役割を果たせるように尽力をつくし、農業法人や認定農業者、集落営農人たちとともに日本の農業の再生を担っていく中心的組織に生まれ変わってほしいと思います。