楽しそうだけど大変?農家の住み込みバイトのメリットとデメリット

挿絵1サラリーマンやOLなどの都市部の生活と、農村部の農家の生活とでは、仕事や生活のスタイルに大きな違いがあります。非農家から就農を考えている人のなかには、最初は農家の生活に慣れなくて大変な思いをすることもあるようです。思い描いていた生活と違ったことが理由で挫折しないように、就農を考えている人には、まず農家での住み込みバイトをしてみることをおすすめします。今回は、住み込みバイトの労働内容やメリットなどを紹介しますので、興味のある人はぜひ一読してみてください。

農家での住み込みバイトってどんなことするの?

挿絵2農家での住み込みバイトは、ほぼ農作業です。野菜や果樹、酪農など種類はさまざまで、だいたいは繁忙期にバイトが募集されることが多いです。一般的な農繁期とは4月から10月頃までです。そのなかでも特に忙しくなるのは、種まきや田植えシーズン前後の4月と5月と、収穫シーズンの7月以降です。農作業の内容は荷物を運んだり除草をしたり、ひたすら農作物を収穫したりといろいろで、農家によって変わります。日本の農業は慢性的な人不足ですので、住み込みバイトの応募は全国各地であります。インターネットで検索すると農家専門の求人サイトがいくつも出てきますので、いくつかのサイトをチェックしてみましょう。バイト先を決めるポイントは、どの地域にあるか、何の農作物を育てているのかです。将来就農したい地域で、栽培したい農作物を扱っている農家を探してみましょう。居住先の形態も、農家によってさまざまです。シェアハウスや寮、公営住宅など、複数の形態で用意してあります。ある程度の期間住むことになるので、トイレや風呂は個別なのか共同なのか、相部屋なのか完全な1人用アパートなのか、きちんと確認するようにしましょう。

住み込みバイトの経験者ってどのくらいいるの?

さまざまなバイトがある中で、住み込みバイトの経験がある人はどのくらいいるのでしょうか?100名の男女にアンケートを取りました。グラフ1

【質問】
これまで住み込みバイトをしたことがありますか?
【回答結果】
回答 回答数
ない 78
ある 22

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月02日~2017年08月09日
有効回答数:100サンプル

約8割は住み込みバイトの経験なし!

全体の約8割の人は、住み込みバイトの経験がないと答えました。

  1. 住み込みはちょっと憧れがあるけど、住まいと勤務地が近いということからプライベートの時間まで仕事モードになりそう。やはり自宅の方が安心するし、疲れも取れるから自宅から通勤を選びますね。(30代/女性/パート・アルバイト)
  2. 知らない人の家にお世話になる勇気がなかったから。(30代/女性/専業主婦)

このほか、集団生活が苦手、気を遣ってしまいそうなのでできないなどの理由が挙がりました。では、住込みバイトの経験者の回答を見てみましょう。

  1. 軽井沢のペンションで夏休み期間中働いていた。仕事も楽でお金も良かった。いい時代だった。(40代/男性/正社員)
  2. 旅館で夏休み中に住み込みのバイトをしたことがある。食事もつくし、温泉にも入れたので結構良い体験になった。(30代/女性/個人事業主・フリーランス)

住み込みバイトの経験がある人は、給与面、経験面でやってよかったと思っている人が多いようです。
職場の人間関係や仕事内容などが理由で、住み込みバイトはハードルが高いと思われるケースが多いようです。一方、住み込みバイト経験者は、やって良かったと感じている人が多いことがわかりました。

自然と触れ合う生活!住み込みバイトのメリット

挿絵3住み込みバイトのメリットは、農家の生活を垣間見ながら実践的な農業の勉強ができることです。住み込みバイトは体験農園や収穫イベントなどと違い、即戦力として雇われています。仕事として農業に携わることで、農家ならではの技術やトラブル時の対応方法など、教科書ではわからないノウハウを学習できます。また、生活費がかからないことも住み込みバイトのメリットです。多少の家賃はかかりますが、相場と比較するとかなり安いことがほとんどです。さらに、食事つきだったり農作物をわけてもらえたりするので、食費もかかりません。最後に、住み込みバイトをすることで将来のツテができるということも、注目すべきメリットでしょう。農家にとって大切なことは、地域のコミュニティに溶け込むことです。これができなくて途中で離農する人もいます。就農を希望している土地で住み込みバイトをしておけば、どのようなコミュニティなのか、人間関係は築きやすいのかなど、その地域のことを就農前にわかります。新規就農は手間もお金もかかるので、なるべくスムーズに就農できるように、資金を貯めながら勉強や事前調査もできる住み込みバイトはおすすめです。

朝早くて大変!住み込みバイトのデメリット

収穫をはじめ除草作業や間引き作業など、農業では長時間しゃがんだ姿勢でいることが多いです。そのため、腰痛で悩む人が跡を絶ちません。農業のデメリットは、体力がなかったり体が弱かったりする人だと重労働についていけなくなることです。朝は早く昼はずっと農作業で、夜になると体はクタクタです。厳しい自然にさらされながらの長時間労働も、どんどん体力を奪います。さらに、農作業中は基本的に露出の少ない格好になりますので、暑い時期になるととても大変です。一方、寒い時期は気温が低いなかでの農作業をすることになります。可能ならば、住み込みバイトをする前に、運動して鍛えたり体調管理をしたりしておくといいでしょう。また、住み込みとなると当然ながら仕事中心の生活になり、息抜きができず辛いと思う人もいるようです。1人の時間がほしいと思う人は、シェアハウスよりアパートタイプの住居を提供してくれる農家を探すといいでしょう。給与は農家によって差がありますが、重労働に対して安いと感じる人もいるかもしれません。ただ、将来の就農を見据えたうえでの勉強期間だと思えば、日々学びながらお給料がもらえるのはメリットだと言いかえることもできます。農家の仕事は意外とコミュニケーションが多いので、コミュニケーションが苦手な人は辛いかもしれません。しかし、一緒に働く仲間や地域の人々とのコミュニケーションは就農後にとても大切になります。農家の人を観察して、その方法を学ぶようにしてみましょう。

まとめ

農家の仕事は楽しいことも辛いこともあります。就農するとういことは、地域に馴染むことも必要です。住み込みバイトは、農家になる資質が自分にあるのか、重労働を経験してもなおやりたいと思えるのか、自分の気持ちを確かめる良い機会にもなります。デメリットがある反面、さまざまな面でメリットの多い住み込みバイトです。経験することで得られることは多いので、まずは思い切って始めてみてはいかがでしょうか。

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