野菜作りに必須!肥料の種類と使い方

挿絵1野菜作りをするのに欠かせない肥料ですが、食の安全に深い関心のある人は、できれば使いたくないと思う人もいるでしょう。特に子どもを持つ親御さんからすれば、余分な物を使っていない安全な野菜を食べて欲しいと思うものです。しかし、土壌の状態や野菜の育ち具合によっては、肥料を使ったほうが良い場合があります。どうすれば安全でおいしい野菜作りができるのか、今回は肥料にスポットをあてて、その種類や使い方のポイントなどを解説していきます。

肥料の種類は大きくわけて2種類

挿絵2最初に、肥料の三大要素について説明します。チッソ、リン酸、カリウムは、植物を育てるには欠かせない養分です。チッソは葉や茎が育つ葉肥、リン酸は花や実が育つ実肥、カリウムは根や茎が育つ根肥です。肥料には有機肥料と無機肥料の2種類があります。有機肥料とは、動物の死骸や排泄物、植物などが原料で、種類によって多く含む栄養素が変わってきます。油粕はチッソが多く、元肥や置肥など、さまざまな野菜に利用できます。鶏フンはリン酸が多く、果菜栽培に向いています。草木灰はカリウムが多く、根菜類がよく育ちます。有機肥料は即効性がなく、ゆっくり土壌を育てますので、元肥におすすめです。一方、無機肥料とは、化学的に作り出した合成肥料で、養分が一種類のみの単一肥料と複数の養分が合わさった複合肥料に分かれます。無機肥料は臭いが少なく即効性があるため、芽が出たあとの追肥として使うのがおすすめです。野菜作りに慣れている人なら単一肥料をブレンドして使用することもできますが、慣れていない人はそれぞれの養分をバランスよく含む複合肥料のほうが使いやすいでしょう。

野菜作りの肥料… 私はここにこだわる!

挿絵3野菜作りをしている人に、肥料を購入する際のこだわりについてアンケートを取りました。


多少は高くても良い肥料を買いたい

  1. 値段だけを見てすぐ飛びつかず、説明をよく読み、口コミにも目を通して、評判のいいものを購入するようにしています。(30代/女性/専業主婦)
  2. まいた種や植えた苗などが何性の有機化合物と適合するかは必ず調べます。(40代/女性/専業主婦)
  3. 化学肥料の場合、農作物によって、肥料の成分の配分が違います。農作物によって、チッソ、リン酸、カリウムの配分を考えて買うようにしています。基本的には、有機肥料を使うようにしています。(40代/男性/経営者)
  4. 素人なので、畑の肥料は農家が経営している種苗店で相談して、おすすめの商品を購入しています。(40代/女性/個人事業主・フリーランス)
  5. なるべく国産の肥料を選ぶようにしています。多少値が張りますが腐葉土などは国産がいちばんです。(40代/女性/パート・アルバイト)
【質問】
畑の肥料を購入する際に注意しているポイントがあれば教えてください。
【回答結果】

フリー回答

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月02日~2017年08月09日
有効回答数:217サンプル

アンケートの結果、無機肥料より有機肥料を購入する人のほうが多いようで、なかには生ゴミを利用して肥料を自作している人もいました。自ら野菜作りに励むだけあって、自分の畑を持っている人は、多少値段が高くても良い肥料を購入する傾向にあるようです。

有機肥料と無機肥料のメリットとデメリット

有機肥料のメリットは、自然の物が原料になっており、安全や安心を担保しやすい面にあります。また、ゆっくりと時間をかけて微生物の働きを促してくれるので、一度土に混ぜたら長い間働いてくれます。肥料を多くやりすぎても悪影響を及ぼしにくいのも特徴です。これらの特性から、有機肥料は元肥として使用するのに向いています。反面デメリットは、即効性がないことです。栽培中の弱っている野菜に与えるのには向きません。また、原料が動物の排泄物や植物の腐葉土なので、臭いが強いのもデメリットです。虫も寄ってきやすいため、防虫対策はしっかりと行っておくのがポイントです。対して無機肥料のメリットは、即効性が高いことです。複合肥料においてはバランスよく養分を配合しており、臭いも少ないので初心者でも扱いやすいです。デメリットは、無機肥料を使いすぎると土が固くなってくること。野菜は地中に根を張りますが、土が固いと思うように伸びることができず、根菜類は大きくなりきれなかったりいびつな形になってしまったりします。無機肥料は栄養が足りないときの最低限の補給と考えるのがポイント。どちらの肥料を使うにしても、与え過ぎは野菜が病気になる原因となるので、十分注意しましょう。

#野菜がすくすく育つ!正しい肥料の与え方

上記で説明したとおり、有機肥料は元肥に、無機肥料は追肥に使うと、効率的に野菜を育てることができます。元肥は種をまく前の、土壌づくりの段階で与えます。最初の土作りでは、大体において苦土石灰を混ぜて土を中和しますが、苦土石灰だけだと土が固くなりやすいのがデメリットです。有機肥料は苦土石灰をまいて酸度を調節したあとに補給するのがおすすめです。できれば元肥をやったあとは、追肥をせず収穫まで過ごすのが理想です。しかし、野菜の育ち具合によっては肥料の追加が必要になる場合もありますので、追肥には即効性のある無機肥料を使用しましょう。追肥をする際は、野菜の根本から少し離したところに肥料を与えるようにします。肥料と野菜が間近にあると、根が枯れたり病気になったりなどの症状が出てしまいます。逆に肥料と野菜の間に距離を置くと、肥料の養分を吸うために野菜の根っこがしっかりと伸びていきます。肥料の基本的な考え方は、元肥も追肥も足りない養分を補うためのものということです。できるだけ大きい野菜を育てようとしても、必要以上の肥料を与えるのは病気の原因を作るだけです。肥料は元肥のみか、必要な量だけの追肥を、野菜と離して与えるようにしましょう。

まとめ

野菜の栄養分である肥料は、多ければ良いというものではありません。人間でも食べすぎ飲みすぎは肥満や病気の原因になります。野菜にとっても、栄養過多の環境はよくありません。大切なのは養分がバランスよく含んである肥料を、必要な分だけ与えること。野菜作りに慣れていない人は、有機肥料と無機肥料をうまく使い分けるのがおすすめです。野菜の種類によって与えたい肥料も変わりますので、肥料の三大要素については覚えておくと良いでしょう。

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