農業研修生になるための役立つ情報をお届け!

挿絵1 農業の知識を身に付けるというとどのような方法をイメージしますか?農業学に特化した高校や大学、専門学校といった知識を身に付けるための学校もありますが、もっと手軽なケースとして農業研修生として研修に参加するという方法もあります。農業研修生は具体的にどのように農業のことを学ぶものなのか、どうやってなるものなのか気になりますよね。本格的に農業を学びたいと考えている人のために、農業研修生になるために必要なことについてお話していきましょう。

農業研修生はどのようなことを学ぶのか?

挿絵2 農業研修生の具体的な研修方法は受け入れ農家によって異なりますが、基本的な研修指導の内容についてはガイドラインが設けられています。日常の農作業に関する研修、農村での生活に関する研修、地域社会への参加に関する研修の3つがガイドラインに設けられている主なカリキュラムです。週6日間1日8時間の農作業時間の中で、これら3つについての理解を深めていくために活動をしていきます。
まず、日常の農作業に関する研修では、1日の作業スケジュールや農業技術で重要となるポイントを学ぶのが主です。安全に行う方法を教えてもらいながら農作業や農薬の扱い方を勉強していきます。さらに季節毎の課題として中期的な作業スケジュールについて知りつつ、コストの考え方や経営の管理方法の知識を身に付けられるでしょう。
次に、農村での生活に関する研修では、実際の農家での生活サイクル、生活と生産の関わりを学んでいくことができます。ここでは日々や月毎、そして年間の生活サイクルを学べ、生産が生活にどのような影響をもたらすのかがわかるでしょう。
最後に、地域社会への参加に関する研修は、農村への理解を深めることと人的なネットワークの構築を目的とします。行事やイベントを始め、青年会や町内会など、地域に密着することの重要性を学んでいくことができるでしょう。

農業研修生に興味ある人はどのくらい?

グラフ 農業研修生に興味を持っている人は、現代ではどのくらいいるものなのでしょうか?農家のことを学ぶには住み込みで研修生として働くのがメジャーではありますが、この方法に興味や関心があるかどうかについて訊ねてみました。

【質問】
農家に住み込みで働く農業研修生に興味はありますか?
【回答結果】
回答 回答数
ある 55
ない 45

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年06月16日~2017年06月23日
有効回答数:100サンプル

過半数は農業に興味あり!農業への理解を深めたい姿勢

アンケートの結果、過半数の人が住み込みの農業研修生を経験してみたいと考えているようです。

  1. 野菜などを育てるのに興味があるから。(20代/女性/無職)
  2. 農家に住み込んで働く中で、実態がよくわかって勉強になると思うから。(60代/女性/専業主婦(主夫))
  3. 住み込みに意味が有る。その職業の生活リズムも身に付くから。(40代/男性/個人事業主・フリーランス)
  4. 野菜を育てることそのものに興味を持っていることはもちろん、住み込みなら農業に対する理解を深められるからというのが主な理由でした。住み込みだからこそ農業の生活リズムを身に付けられることに魅力を感じている人もいるようです。

次いで半数近くの人が住み込みの農業研修生に興味がないと答えていました。

  1. 住み込みをするお宅の人と相性が合わなかった時に、農業を学ぶことによる疲れにも増して気遣いや疲労がかかるのは避けたいと思うからです。(30代/女性/個人事業主・フリーランス)
  2. 数日ならよいが、数ヶ月単位になるといろいろつらい面が出てきそうなので。(40代/女性/パート・アルバイト)
  3. 今の生活を捨てて、住み込みで働くことは不可能なので(30代/女性/専業主婦(主夫))

住み込みだとどうしても大変そう、辛そうというイメージが強いようです。時間的余裕がなかったり、今の生活を捨ててまでやりたいとは思えなかったりする問題もあることがわかりました。
アンケートを取ったところ、多くの人が住み込みの農業研修生に興味を持ってはいるものの、興味がない人も一定数いる結果になりました。元々農業にある程度の興味を持っており、専門的な知識を得たい、経営方法を学びたいと考えているのであれば、やってみる価値はあるといえそうです。

農業研修生になるにはどうすればいい?

挿絵3 農業研修生になるための近道としては、まず自治体やJAのウェブサイトをチェックするのが良いでしょう。自治体によって具体的な条件や期間は異なりますが、中長期のものから短期の体験型タイプまで幅広くあるので、目的に合った期間を選ぶことも可能です。
研修生として働くわけですから学校のように費用がかかるわけではありません。逆に、月に10万円?12万円程度の収入を得ることができます。住み込みになるともっと少なくなってしまう傾向はありますが、住居費や食費がかからないので中長期的に住み込みで働き続けるのなら生活に困ることはありません。
さらに年齢の上限も自治体によって異なります。農業研修生なので未経験でも積極的に採用はされていますが、年齢的には45歳未満など、比較的若い年齢層でないと応募できないところも少なくはないです。また、農業研修生として働くのなら、傷害保険や労災保険などの保険に加入する必要があるので注意しておきましょう。
農業研修生として働きたいのなら、このような項目をチェックし、応募条件を満たしているかどうかを最初に確認してください。そのうえで働きたいと感じたなら、問い合わせの窓口から電話やメールで農業研修生になりたいことを伝えましょう。

農業やりたい!だけではダメ?研修生としての心構え

農業をやるために研修生として働きたいのであれば、心構えの面も重要です。研修生として働けば必ず農家として成功できるという保障があるわけではありません。成功できるかどうかというのは結局のところ自分自身の努力によって左右されますから、それを忘れないようにしましょう。
農業の経験がこれまで一度もない人にありがちなイメージとしては、気ままにのんびりとした田舎暮らしを満喫しながらゆったりと農作物を育てるというものがあります。しかし、実際にはかなりの重労働を強いられることは珍しくありません。早朝から暗くなるまでクタクタになりながら働くのが農業です。まずはこの理想と現実のギャップが大きくなりすぎていないかを今一度確認しましょう。
また、ただなんとなく農家になってみたいという軽い気持ちで研修生になるのも避けたほうが良いでしょう。熱意や明確なビジョンがないままでは厳しい研修に耐えられるだけの体力や精神を持たせることは難しいです。
本格的に農家を目指すのであれば、どんな農業の種類で頑張っていきたいのか、どんなものを育てたいのかも重要になります。最終的に自分で経営をしていくうえでは絶対に欠かせないので、その希望をはっきりとさせてから自らのビジョンに合致する受け入れ農家の元で研修に励むことが大切です。

まとめ

農業研修生になる方法やカリキュラム、必要な心構えについてお話してきました。ただ単に体験だけしてみたいというわけではなく、本格的に農家になりたいのであれば、農業研修生になるのは有効的な手段です。最低限必要な生活費を得ながら実際の農業を学ぶことができますし、実体験は今後自分が経営をしていくうえでの糧にもなるのは間違いありません。やりがいのある側面はもちろん、厳しい側面も踏まえたうえでなら、一人前の農業家になるための努力は決して難しいものではありませんから、農業研修生として働くことを考えてみてはいかがでしょうか?

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