農業と漁業の違いについて

veg136-s同じ一次産業だけどどこが違う?農業と漁業を比較してみました

農業と漁業は、共に第一次産業に分類される分野です。しかしながら、この二つには第一次産業として共通する部分だけでなく、大きく異なる部分も持ちます。農業と漁業を比較した場合の各種ポイントに関して、ご説明します。

農業と漁業の似ている点について

日本は、山林と海に恵まれた自然環境を持ちます。陸地では、山林を開拓し平野を活用して、農業が盛んに行われています。また周囲の海からは、漁業により豊富な海産資源の漁獲が行われています。これら農業や漁業は、共に自然から恩恵を受ける点に共通点があります。自然環境に依存し、その力を利用して生産物を得ています。そのためこの分野の産業は、自然の成り行きに任せるほかない側面も持ち合わせています。環境が悪化すると収穫量が減少し、経営の悪化を招きかねません。そのため農業や漁業に従事する人たちは、環境保護に積極的です。個人や団体から環境を保護する取り組みが行われ、その成果として収穫や漁獲の量が回復した例も各地に多いです。また農業や漁業は、食糧供給の重要な役割を担う点で共通する部分があります。多くの人が農作物や海産物を口にできるのも、農業従事者や漁業従事者のおかげです。食料生産は社会を支える重要な基礎であり、仕事の重要性が高いです。

農業と漁業の異なる点について

第一次産業として重視される農業と漁業は、比較してみると異なる部分もあります。農業は農地に束縛される性質を持ち、一方で漁業の仕事は広大な海を職場とします。農作物を育てるには、耕作に適した農地が必要不可欠です。また特定の農地について、任意の場所へと移動させることはできません。確かに漁業も養殖業について、特定の漁場を活動の場とすることはあります。しかし漁業の仕事では、広大な海を舞台にして仕事に従事します。日本の漁業は、近海のみならず遠洋の漁業も盛んであり、一度日本を離れると半年や一年は日本へ帰ってこないケースもあります。農業は、一箇所に留まって地道に仕事の成果を積み重ねる働き方であり、努力が後に形となって表れる部分が大きいです。遠洋などの漁業は、海産資源を求めて一攫千金を狙う性格が強いです。こうしたそれぞれの仕事の方向性の違いから、農業従事者と漁業従事者においても、互いに性格の違いも見られます。

農業と漁業それぞれの魅力について

農業や漁業の仕事は、大変なことが多いです。しかしそれでもこれらの仕事を続ける人が多いのは、それぞれの仕事に魅力が存在するためです。農業分野で働く魅力は、農作物を育てる楽しさです。植物は、人間とのコミュニケーションを取る能力を持ちません。しかし、人が手間をかけるほど、作物は成長で応えてくれます。収獲の時期を迎え多くの実りを得たときに、農業の仕事に従事していてよかったと強く感じられるでしょう。一方で漁業分野で働くことの魅力は、海に関わって仕事ができる点です。海は地球上に存在する全ての生物の母であり、数多くの生き物が生息する場所です。人間もまた、海に対しては特別な思い入れがあります。また漁業の仕事を続けるうちに、海には時々で多様な面を見せることが分かります。漁師として仕事をしていると、ちょっとした海の変化にも気づきます。その海から大漁の海産物の恵みを受けて、大きな利益を得たときの喜びが格別です。