農業で得られる収入はいくら?脱サラや兼業をする価値は?

農業にとても興味があったとしても、まずはどうしても気になってしまうのが、実際には農業でどれくらい稼げるものなのかではないでしょうか。特に社会人として毎月安定した給与を得ている人にとっては、収入が不安定かもしれない農業に専念するというのはとてもリスキーなことに感じてしまいますよね。実際のところ、農業で得られる収入はいくらなのか、脱サラや兼業をしてまでやってみる価値はあるのかどうかについて見ていきましょう。

脱サラすれば農業でどれくらい稼げる?収入の実状

挿絵2脱サラして専業で農業をすると収入がいくらになるのかは、経営の条件によって大きく異なります。まず重要なのが農作物選びです。どんな作物を育てて販売するのかによって売上金の額には雲泥の差があると言っても過言ではありません。また、どれくらいの規模で行うかという面積の問題も浮上してきます。同じ野菜を育てていたとしても100坪で育てるのか1,000坪で育てるのか、あるいは3,000坪にするのかで大きく変わるでしょう。この場合は当然ながら広いほうが数多くの農作物を育てられるので有利です。キャパシティの問題がありますから広ささえ確保できれば良いというわけではありませんが、できる範囲で広さのある農場を確保できるかは収入にだいぶ影響してきます。それから忘れてはならないのが地域の問題です。どこで農作物を育てるのかによっても収入に差は出てきます。「稼ぐには日本国内のこの場所」といった細かな決まりはありませんが、その地域の気候や条件に適した農作物を選ぶことが大切なポイントです。脱サラをして農業を始めるのなら、これらのポイントを踏まえたうえで臨むようにしましょう。

詳しくは、脱サラ農業は儲かるのか?収入や人気の理由を徹底解明をご参照ください。

農業はいくら稼げる?平均収入はいくら?

挿絵3農業はよくある職業毎の平均年収のように統計が取れているわけではなく、農家によって大きくその差は開きます。大金と言えるほどの金額を稼いでいる農家もあれば、全くと言って良いほど収入を得られていない農家もあるほどです。農家のなかには逆に赤字経営になってしまっているところもあるでしょう。これは単純に農業の規模が異なる、経営方針が異なる、扱っている農作物が異なることなどが収入の格差に繋がっていると考えられます。しかし、農林水産省が取った統計によると、認定農業者がいる農家の場合、そのうちの約40%は300万円未満の所得を得ているという記録があるのも確かです。300万円から500万円に関しては約20%、500万円から1,000万円は約30%、1,000万円以上は約10%となっています。最も多いのは300万円未満なので稼げないというイメージがあるかもしれません。しかし、全体で見れば約6割は300万円以上の収入を得ているということです。農業全体の平均収入がいくらという明確な数字はないにしても、成功さえすれば大きな金額を獲得できるのは確かと言えます。

詳しくは、農業って儲かるの?脱サラして始めた人の平均収入ってどれくらい?をご参照ください。

野菜農業は儲かるの?露地栽培と施設栽培の違いは?

挿絵4農業には果物や酪農、畜産などもありますが、最もメジャーと言っても良いのは野菜の栽培です。そこで気になるのは野菜の農業は儲かるのかですが、結論から言えば選ぶ野菜の種類によって大きく異なります。稼げる野菜として知られているのはキャベツやレタス、トマトなどのオーソドックスなものが挙げられるでしょう。特にキャベツは時給換算すると2,000円の収益が見込めるほどの野菜です。大玉トマトの場合は約1,270円ですから、野菜の種類によって大きく差が開くのは一目瞭然と言えます。また、露地栽培か施設栽培かでもその作業量には大きな差が現れます。露地栽培の場合は天候に左右されがちですから、それ故に細かく栽培している野菜の様子を見なければいけないという特性があります。施設栽培の場合は屋根が嵐や台風から農作物を守ってくれますから、その点において心配は要りませんし、時間もそれほどかかりません。効率的に育てられるという意味では施設栽培のほうが優れていますが、その分の設備費用がかかるというネックもあるのが特徴です。どちらにもメリットとデメリットがありますから、特徴を理解したうえで効率的に稼げる野菜や栽培方法を選んでいくことが儲かるためのポイントになります。

詳しくは、農業でもっとも儲かる野菜ってなに?稼げる農家を目指そうをご参照ください。

農業だけで生活できる?収入について考えるべきこと

ビジネスとして成功さえすれば、農業だけで暮らしていくことは十分に可能です。どこからが成功していると判断するのかは人によっても異なるものですが、生活に困らないような収入を得られていることを基準とするなら、成功している農家はとても多いと言えます。特別に成功している農家としては、独自のブランドを確立していたり、ネット販売が成功していたりといったケースが挙げられるでしょう。ただ、農業を始めるにあたって収入面で考えなければならないのが、変動のリスクです。台風や雪崩、洪水といった自然災害によって農作物が上手く育たなかったとなると、売り物になるはずだった商品が丸ごとなくなってしまいますから、そのときの収入は激減してしまいます。そういった問題がありますから、もしものときに備えたうえでの収入をシミュレーションし、生活費をしっかりと確保できるかどうかを考えることが農業を営むうえではとても重要です。

詳しくは、農業収入だけで生活していくためにはどれくらいの稼ぎがあれば良い?をご参照ください。

公務員は副業!農業で収入は得られるの?

公務員は原則的に副業を禁止されていますが、農業の場合は承認を得られれば可能です。ただ、あくまでも本業である公務員の仕事に差し支えのない範囲を守り、営利を主な目的とした大規模な経営にしないことが条件となります。収入を得ることを主目的とした営利企業を営むのも禁止されているため、法人化するのも禁止です。ですから、小さな規模で収入を得ようとせずに経営していく分にはあまり問題視しなくても良いでしょう。ただ、公務員に限ったことではないですが、副業としてやっていくうえでは農業経営のために相応の資金がかかる、休みをなかなか確保できないといった問題も発生します。休日の確保については、自己管理の徹底や手伝ってもらえる人がいるかどうかなどが重要となるでしょう。

詳しくは、兼業で稼ぐことはできる?公務員を辞めずに副業で農業収入を得る方法をご参照ください。

農業で収入を得たら!確定申告が必須!

農業である程度の収入を得ているのであれば、確定申告をしなければなりません。会社員のように給料をもらっているわけではなく、個人事業主や自営業と同じ扱いになりますから、確定申告のやり方は事前に抑えておきましょう。控除を受けたいのであれば、65万円控除のある青色申告の方法についてチェックしておくのがベストです。
売上や必要経費など基本的な記帳の項目自体はあまり変わりありませんが、農業ならではの注意点があります。まず、収入方法は販売方法毎に分けて記帳するという点です。棚卸しのときには種や苗だけではなく、農薬や肥料といった項目も忘れないようにしましょう。また、特に見落としがちなのが農産物の発育や成熟期までの累積に関する記帳ですから注意してください。収入計算や確定申告に備えて普段から細かく記録しておき、後になって慌てないように対処できるのがベストです。記憶を頼りに一気に記帳するのは難しいものですから、確定申告をすることになる場合は漏らさず記録するようにしましょう。

詳しくは、農業で得た収入はどう扱えばいい?確定申告の方法と考え方をご参照ください。

農業への転職はあり?

挿絵1 脱サラして農業へ転職している人が増えてきてはいるものの、実際のところはどれくらいの人が農業への転職に興味を持っているものなのでしょうか?家庭菜園や兼業ではなく、農業だけで生計を立てていくことに興味を持ったことがあるかどうかについて訊ねてみました。

【質問】
農業収入のみでの生活を考えたことありますか?
【回答結果】
回答 回答数
はい 84
いいえ 106

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年06月21日~2017年06月28日
有効回答数:190サンプル

農業は厳しいと思う人が多数?魅力に感じている人も多い!

アンケートの結果、農業収入のみの生活を考えたことはないと回答した人のほうが多くなりました。

  1. 農業収入のみで生活していく自信がないから。(30代/女性/専業主婦(主夫))
  2. 野菜によっては、取れない時期もあるため、他にも収入を得られるようにした方がいいからです。(30代/女性/公務員)
  3. 農業だけではなかなかお金にならないからです。(30代/男性/派遣社員)

主な理由としては農業収入のみの生活に不安を感じる声が目立っています。上手く稼げない、稼ぐのが難しいというイメージもあるためか、農業を専業でやるのはリスキーに感じてしまう傾向にあるようですね。続いて、農業収入のみの生活を考えたことがあるという意見です。

  1. 会社務めが合わない気がしたのと、自分の頑張りが見える気がするから(40代/女性/正社員)
  2. 豊かな自然に恵まれた中での生活に興味があり、農業で生計を立てられないかと考えたことがあります。(30代/女性/派遣社員)
  3. 自給自足の生活を考えたことがあります。(20代/男性/正社員)

農業に対してのやりがいがあることに魅力を感じている人が多いようです。また、自給自足の生活や自然のなかの生活などがメリットだと感じている声もあり、収入のことを上回るような魅力の多さがうかがえます。
結果的に専業のリスクをおそれた意見は多かったものの、それ以上に農業への魅力を感じているという人も少なくありませんでした。一概にどちらの意見が正しいとは言えませんが、専業で農業をするかどうかはメリットとデメリットを踏まえたうえでよく検討する必要があるかもしれませんね。

農業は魅力や可能性の詰まった職業!興味があるならやってみるべき!

農家として成功できるかどうか、生計を立てられるかどうかには相応の対策や計画性が求められますが、成功している専業農家が多いのは確かです。露地栽培をする場合は天候に左右されるために収入が安定しないといったリスクも付きまといますが、それ以上にやりがいがある職業と言えます。青年就農給付金による助成金制度も充実していますし、興味を持っているのならチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

詳しくは、農業で得られる収入はいくら?脱サラや兼業をする価値は?