食農と地産地消のススメ

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戦後の生活スタイルの変化に伴い、日本人は米食が減りパン食が増えました。 2012年の小麦の輸入量はおよそ560万トンにのぼります。 家族で食卓を囲む時間が少なくなったことで、食事作法を教わる機会が減り、 お箸の持ち方や食べる順番を知らない子供も増えてきています。 また、スーパーでは野菜や果物が季節に関係なく並んでいます。 食材本来の旬の時期がわからなくなり、食材そのものの栄養素も 低下していると言われています。 食育は、子供だけに限らず国民一人一人が食を通して健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむことを目指しています。 そして今この食育と農業教育を一体化した「食農」に新たな注目が集まっています。 農業を通じて食を学ぶ取り組みです。

体験する米作り

例えば親子で体験する米作りです。 田植えや稲刈りといった農作業を通じてお米はどうやって作られているのかを知り、 命の尊さやありがたさを学びます。そしてお米を育てるには多くの人や自然や社会に支えられているという命の関わりを知り、命の食物連鎖を学びます。さらには親子で一緒に作業を行うことで親子の絆も生まれます。 また、農協の中には農産物の収穫体験や、出荷施設の見学会、調理実習会を行っているところもあります。農業を知ってもらうことで食に興味を持ってもらい、安心・安全な食材とはどこでどのように作られているのか、そして正しい食材の選び方とは何かを改めて考え学ぶことが出来ます。さらに旬の食材を知ることも出来ます。 一方、地元で生産されたものをその土地で頂くという「地産地消」の動きもあります。 採れたての野菜や果物は鮮度がよく本当に美味しく、栄養もぎっしり詰まっています。 さらに地元で頂くことで、輸送する際に排出される二酸化炭素を抑えることが出来て環境にも優しいです。 「地産地消」は農業生産者と消費者の距離を縮めて、両者がつながっていきます。そのつながりは地元の農産物の消費をさらに増やし、地元の農家を応援することになります。地域ごとに「地産地消」を行っていくことで、高齢化の進む農業従事者をバックアップし、古来より続く日本の食生活や食文化を守り、日本の食糧自給率を上げることにつながると期待が寄せられています。