露地野菜/畑作

露地とは、ハウスやトンネルなどの施設を利用せずに、野外で、野菜を自然の状態で栽培することです。霜にあうと枯死してしまうトマトやキュウリなどは生育適温が高いので露地栽培できる時期は限られます。 一方でレタス、キャベツ、白菜などは霜害をうけにくく、露地栽培のできる期間が長く、品種や栽培地域を変えることによって露地での周年栽培も可能です。 また、露地野菜は農家を始めるにあたって比較的、初期投資費用が少なくて済む業種。1年目から収穫できて、作物によっては年間で数回収穫ができるのも魅力の一つです。

生産物

キャベツ、ダイコン、ハクサイ、レタスなど、寒さに強く霜の被害を受けにくいものが代表的。キュウリやトマト、ナスやピーマンなども露地での栽培は可能ですが、栽培できる期間は限られます。

データで見る

✦露地野菜の出荷量ランキング

※出荷量は全国の合計値・()内は出荷量No.1の産地です。

✦新規就農分野として人気No.1の露地野菜

初期投資が少ない野菜の生産は、農業全体における戸数割合で66%と人気の業界です。

年間スケジュール

※例)夏まき栽培キャベツの場合

栽培品目によって、スケジュールは様々です。複数の品目を組み合わせることで、通年で収益を安定させることも可能です。

一日の仕事の流れ

AM
  • 6:00〜 7:30 出勤
  • 7:30〜 8:00 作業準備
  • 9:00〜12:00 農作業、出荷など
PM
  • 12:00〜13:00 昼食
  • 13:00〜17:30 農作業、選別など
  • 17:30〜18:00 夕礼、片づけ・記録
  • 18:00〜19:00 退社

仕事の内容

育苗(いくびょう)

発芽したばかりの苗は病害虫や雨や風などの気候変動に弱いので、十分に育たない事があります。そこで、播種してからある程度苗が成長するまで、温室やビニールハウス等で管理することを育苗といいます。

マルチング

畝に直接ポリエチレンフィルム等で覆いをすることをマルチングといいます。土の乾燥を防ぎ、地温の上昇・抑制、雑草の抑制などに効果があります。ポリエチレンフィルムの色によっても使用目的や効果が変わってきます。

定植(ていしょく)

育苗し、ある程度育った苗を実際に畑に植える作業を定植と言います。デリケートな苗を扱うので気を使う大変な作業ですが、植え付け機などを用い作業の効率化・省力化を図ります。

間引き

畑に種をまいた後、発芽すると必要となる作業の一つです。発芽した苗同士の間隔が狭いと養水分を奪い合ってしまうだけでなく、日照不足などで生育不良をおこしてしまいます。そこで苗同士の間隔が近いものは成長不良の苗を抜きます。これを間引きといいます。

収穫

収穫は気温が低い早朝~午前中に行った方がよいとされています。その後の袋詰めなどといった野菜の出荷調整は日の当たらない涼しい場所で行います。中には「予冷」といって出荷をする前に野菜を急冷させることで鮮度を保つ処理もあります。

この仕事の3つの魅力

1. 生産した野菜が
近くのスーパーや直売所にすぐ並ぶ!

自分の仕事がすぐに成果として見えやすいのが露地野菜。近くのスーパーや直売所でお客様の生の声を聴くこともできます。そんな中で、近年注目の高まる西洋野菜や希少野菜にチャレンジすることもよいでしょう。こだわりの野菜をどうアピールするか、その手法や発信できるメディア、販路も多様化していますので、あなたならではの野菜づくりを追求してください。

2. 大自然とともに仕事ができる

青空の下、太陽と土の温かみを感じながら仕事ができる業種は、露地野菜がナンバーワンといってよいでしょう。もちろん、その分天候の影響や病害虫の被害を考慮しながら、計画的に対処していくことが求められます。自然の恵みを野菜という形にして人々へ届けるやりがいは、露地野菜の生産者の特権と言えます。

3. 新規独立就農のチャンス

露地野菜は、他業界と比べて最も初期投資を抑えられます。最初の収穫までに数年かかったり、大規模な設備が必要となることはありません。最近では遊休地を積極的に誘致する自治体や法人もあり、助成金制度も後押ししてくれます。研修会を開き、働きながら独立までのサポートをしてくれる農業法人もありますので、将来を見据えて教育体制にも注目しましょう。

こんな人に向いている!

  • 計画を立てて実行するのが得意
  • 様々な野菜を育ててみたい
  • 体力に自信がある!
  • 将来独立も視野に入れている

露地野菜は、組み合わせによっては通年で様々な種類の野菜を育てることができます。だからこそ計画性が何よりも大切。天候や病害虫、障害など様々な可能性を考慮し、見込んだ収量を実現することが必要です。屋外の作業がほとんどとなるため、体力に自信のある方にはもってこいの環境。もちろん、徐々に体力はついていきますので、最近では女性も活躍しています。初期投資がかからないことから、将来は独立したいという方にもおすすめです。

キャリアステップ

STEP 01
栽培スタッフ

まずは生産する野菜の栽培技術を一通り覚えることから。農業法人などでは、栽培品目ごとに部門が分かれ、専属でその野菜を担当するといったこともあります。

STEP 02
農場リーダー

ある程度の栽培ノウハウを身に着けたら、作付の年間スケジュールや販路拡大手法の考案にチャレンジしましょう!

STEP 03
責任者、独立

同じ野菜生産でも、ハウスなどの施設野菜に比べて初期投資の少ない露地野菜。比較的低いハードルで、育てたい品目や農法にこだわった自主農園を築くことができます。

以上、露地野菜/畑作についてご紹介しました。
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