鍵は光合成にあった!野菜の収穫に適した時間とは?

挿絵1野菜は朝採れが良い、採れたてが一番おいしいという声をよく聞きます。野菜の収穫時間によって野菜の味が変わるというのは、本当なのでしょうか?今回は、世間一般でよく言われている野菜の収穫時間について検証していきます。野菜が一番おいしくなる収穫時間はいつなのか、ぜひ野菜作りの参考にしてみてください。

野菜の収穫に適した時間はいつだと思う?

野菜の収穫時間に適した時間はいつだと思うか、100名のみなさんにアンケートを取りました。グラフ1

【質問】
野菜の収穫に適した時間帯はいつだと思いますか?
【回答結果】
回答回答数
77
夕方14
その他9

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月02日~2017年08月09日
有効回答数:100サンプル

やっぱり朝の収穫が一番良い?

朝の収穫が一番適しているとの声が、圧倒的多数を占めました。

  1. 朝採れたものが道の駅なんかの直売所によく並んでいるし、農家に知り合いもいますがやっぱり朝早くから作業して夕方にはまったりしているイメージなので。(40代/男性/正社員)
  2. 早朝に収穫して、出荷して店に並んだ頃にちょうどいい食べごろになると思います。(20代/女性/専業主婦)

スーパーや直売所で「朝採り」の表示が多いことから、朝の収穫が一番良いという印象があるようです。では、夕方のほうが収穫に適していると回答した人はどのように考えているのでしょうか。

  1. 季節にもよりますが一番気温的にちょうどいいのではないかと思います。夜に向けて太陽が沈むので干からびる心配が減ります。(20代/女性/学生)

特に気温の高い夏は、夕方の収穫が適しているのではないか?という声が多数を占めました。

朝採れをアピールしている店舗がある一方で、収穫時間は季節や野菜の種類によっても変わるイメージもあるようです。一体正しいのはどちらなのでしょうか?

野菜の味ができるのは?光合成の仕組み

挿絵2野菜は葉から空気中の二酸化炭素を吸収し、酸素と糖分、デンプンなどを作り出しています。植物が日光を浴びているときのみの仕組みで、これが光合成です。酸素と水を外に吐き出しながら、茎はさまざまな養分を作り出しており、光合成が終わる夕方頃には甘みや旨みが凝縮された状態になっています。夜になると光合成がストップするかわりに、地中の養分であるチッソを根から吸い上げます。吸収されたチッソはタンパク質を作り出して、葉を大きく成長させて果実に養分を与えます。光合成によって作られた糖分はチッソを吸い上げるために使われますので、早朝の野菜は甘みが少ない代わりにみずみずしく、チッソが多いので苦みが強い状態になっています。これまでの内容を整理すると、朝採り野菜はみずみずしいけれど甘みは少ない、夕採り野菜は甘みが強いかわりに水分が少ないということになります。それでは、朝採りと夕採りのどちらのほうが「おいしい野菜」ということになるのでしょうか?

果菜類は朝の収穫がおいしい!

挿絵3上記では「夜は葉を大きくして果実に養分を与える」と説明しました。これは、根から吸い上げたチッソが葉に溜まっているため葉の部分はエグミが強く、果実は養分が多い状態であることを意味しています。要するに、果菜類に関しては朝採りのほうが栄養価も旨みも高いということです。果菜類とは果実を食べる野菜のことで、トマトやナス、キュウリ、ピーマンなど、ほとんどが夏野菜に属します。夏は日本全国高温になりやすく、保存の効かない夏野菜は早朝の涼しい時間帯に収穫するのがセオリーです。夕方に収穫しても冷蔵庫なしで熱帯夜を越すことはできません。光合成の仕組みからも、鮮度を保つ意味でも夏の果菜類は朝の収穫が適していると言えます。

葉菜類は夕方の収穫がいい?

光合成と新鮮さの観点からすると、葉菜類に関しては夕方の収穫のほうが向いています。エグミ成分のチッソは夜の間に葉に溜まっており、朝はエグミや苦みが多い状態です。しかし、昼になって野菜が光合成を始めると、日の光を浴びて糖分を作り出していきます。光合成のあいだは地中からチッソを吸い上げる活動はお休みしていますので、エグミや苦みが増えることはありません。冬の夜は外気温がとても低く、収穫した野菜の鮮度を保つこともできます。冬の早朝は霜が降りているため収穫にも向きません。これらのことから、ほうれん草やハクサイ、キャベツなど冬の葉菜類は、夕方の収穫が向いていると言えます。

新鮮さを大切にするなら時間は朝

野菜作りに適している季節は春、夏、秋で、冬は一般的に土作りの時期です。夏の果菜類は栄養や味、新鮮さの観点から早朝時間に収穫するのが適していますが、春や秋はどちらが良いのでしょうか?地域にもよりますが、春や秋の外気温は10度を超えます。収穫した野菜をひと晩保管するには気温が高く、鮮度を保つのは難しいです。野菜は収穫してから店頭に並ぶまで、十分な鮮度を保たなければなりません。春や秋の収穫野菜は葉菜類が多いので夕方の収穫が適しているように感じますが、鮮度を重視するなら朝採りのほうが良いと言えます。冬から春に移り変わる時期は畑に霜が降りなくなってから朝採りに切り替える、秋から冬に移り変わる時期は霜が降りたら夕採りに切り替えるようにしましょう。

新鮮じゃなくてOK!寝かせたほうがおいしい野菜

野菜は鮮度が命ですが、一方で寝かせたほうがおいしくなるのが根菜類です。ジャガイモやカボチャ、サツマイモなどは、野菜作り初心者でも育てやすく、貯蔵も効くのでおすすめです。たとえば、甘みが強くスイーツの材料にも使われるサツマイモは、キュアリングという技術を使って貯蔵しています。キュアリングとは、湿度90%以上、室温30度以上の貯蔵庫にサツマイモを一週間ほど貯蔵して、その後、湿度85%~90%、湿度13度の部屋に移して保存する方法です。収穫時についた傷にコルク層を形成して病原菌の侵入を防ぐほか、高温下におかれたサツマイモのタンパク質がショ糖に変化して甘みが増します。カボチャやジャガイモなどデンプン質の多い根菜類に有効です。

まとめ

野菜作りにおいて、収穫時間はとても大切なことがわかりました。どの時間に収穫するべきなのかは、野菜の種類や季節によって大きく変わります。野菜作りを始めたばかりの頃は覚えることがたくさんあり、適切な収穫時間を把握するのも大変かもしれません。冬は夕方に収穫し、それ以外の時期は早朝の収穫が向いていると覚えておくと良いでしょう。

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