あると役立つ!農業を始めるなら取っておきたい資格まとめ

挿絵1昔は農業というと手作業を中心とした重労働が当たり前でした。現代農業では機械化が進み、農作業や仕分け作業がとても便利になっています。それに伴い取得しておくと便利なのが、農業に関する資格。今回は農業を始めるにあたり、取得しておきたい資格について紹介します。農業全般で役に立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。

ないと大変!自動車免許

挿絵2農業を始めるなら普通自動車免許は必須資格です。軽トラやトラクター、コンバインなど、農業で使用する農業機械はたくさんあります。軽トラは収穫した農作物や農機具などを運搬するのに必須で、普通自動車免許がなければ運転することができません。農地を耕すトラクターや稲刈りのためのコンバインは免許がなくても操作可能ですが、免許なしで公道を走ると無免許運転になってしまいます。たとえば、自宅から農地へトラクターを移動させるのに、短い距離であっても公道を走るケースがありますので、大型特殊自動車免許は必ず取っておきたいところ。農耕用作業車の大きさが、高さ2メートル以下、縦4.7メートル以下、横2メートル以下であれば、小型特殊自動車免許でもOKですが、この免許は普通自動車免許を持っていれば別に取得する必要のないものなので、就農するなら、普通自動車免許と大型特殊自動免許の2種類を取っておくと良いでしょう。自動車教習所で取得できるほか、大型特殊自動免許は運転免許試験場で取得できます。

あると便利!農業機械士

挿絵3必須ではありませんが、持っていると便利なのが農業機械士です。農業機械士とは、農業機械の専門知識を持っている人に与えられる、都道府県知事の認定資格です。18歳以上の就農者であれば受験可能で、主な応募要項は農業大学校の養成研修を受講することと、大型特殊自動車免許を持っていること。農業機械士養成研修で大型特殊自動車免許を取得することもできます。また、農業機械士の資格を持っていれば指導農業機械士の資格を得ることも可能です。農業法人で農業機械の管理や指導をする立場の人は、ぜひ取得しておきたい資格と言えるでしょう。自営の就農者であっても、農業機械のメンテナンスや点検整備などを自分で行うことができ、機械に不具合があった際も迅速に修理対応をすることが可能です。公道走行中の事故や農機の積み下ろし中の事故など、農業機械に関わる事故は毎年のように発生しています。農業機械を安全に使いこなすためにも、農業を始めるならぜひ取得を視野に入れておくと良いでしょう。

危険物を扱う際に必要な2つの資格

農業では一定量の農薬を扱う機会があります。農作物を病害虫や病気から守るために必要な農薬ですが、使い方を間違えると人体に深刻な影響を与えることがあるため、取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。そこで取得しておきたいのが毒物劇物取扱者の資格です。毒物の製造や販売に関わる場合に必要な資格ですが、一般の就農者でもこの資格があると農薬を適切に取り扱うことができます。また、大規模なビニールハウスを管理する場合、ボイラーを使って内部の温度管理をします。その際に必要なのがボイラー技士の資格です。効率的に熱を発生させることができる反面、点検整備不足や取り扱いミスによって深刻な事故が発生しやすいため、ボイラー技士は必ず取得しておく必要があります。もちろん、ボイラーを使用していない就農者には必要ありませんが、いずれ規模を広げる予定のある人は念頭に置いておくべき国家資格です。

実務で役立つ!農業簿記検定

農業簿記検定とはその名の通り、農業に特化した簿記検定の資格です。2014年に一般財団法人日本ビジネス技能検定教会が制定した、まだ歴史の浅い資格です。会計や財務諸表など通常の簿記に関する知識から、農業簿記の勘定科目、原価計算など、営農するうえで重要な知識を効率的に学ぶことができます。農業というと、まずは農作物や農業に関する技術を学ぶことが必須です。しかし、農家は一般的な自営業と何ら変わりません。農業に関してはもちろんのこと、経営や会計に関する知識を持っていることが就農成功への近道と言えます。2014年の農林水産省による「人材の育成・確保に関する資料」によれば、新規就農者のうち3割は営農がうまくいかずに、数年のうちに離農しています。農業所得のみで生計が成り立っている割合は、就農3年目~4年目で全体の31.7%、就農5年目以上で50%です。これらの数字を見れば、農業簿記に関する知識がいかに大切か、わかるのではないでしょうか。

取得するならどの資格に興味ある?

グラフ農業を始めるならどんな資格を取りたいと思うか、農業に関心のある100名の男女に聞いてみました。

【質問】
もし自分が農業を仕事にするとして、次のうちどの資格を取りたいと思いますか?
【回答結果】
回答回答数
特殊自動車免許57
農業簿記24
農業機械士19

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月02日~2017年08月09日
有効回答数:100サンプル

やっぱり必須!人気が高い特殊自動車免許

アンケートの結果、特殊自動車免許を取りたいと考える人が多いことがわかりました。2番目に多いのが農業簿記、3番目が農業機械士と続きます。

特殊自動車免許
  1. 農業機械士や農業簿記については、必要あれば専門の方に委託すればよいと考えます。何を栽培するかによっても異なると思いますが、農業に従事するとすればトラクターやコンバインの操作は必須ではないかと考えます。(50代/正社員/男性)

農作業に軽トラや農業機械は必須のため、特殊自動車免許が必要だと考える人が多いようですね。

農業簿記
  1. 機械や運転が苦手なので、この中で身につけられそうなものが農業簿記だからです。(30代/専業主婦(主夫)/女性)

経営に役立つから、自分に向いていそうだからという理由が多く見られました。

農業機械士
  1. 自分で点検や整備ができれば、トラクターの調子が悪い時にも素早く対応できそうなので。(30代/個人事業主・フリーランス/女性)

農業機械士があれば機会が故障しても自分で対応できるので、便利だと考える人が多いようです。

どの回答でも、その資格が自分に向いていると思うからという理由が多い印象でした。夫婦や家族で営農している場合、それぞれの向き不向きで取得する資格を振り分けると良いかもしれませんね。

まとめ

以上、就農の際に役に立つと思われる資格をいくつか紹介しましたが、種類によっては取得する必要のない資格もあります。まずは自動車免許の取得を目指し、そのうえで経営規模や施設、扱う農業機械や農作物によって、取得する資格を選ぶと良いでしょう。ただし、今回紹介した資格は、取得はしなくても知っておくだけでも実務に役立つ資格ばかりです。この機会にぜひ勉強してみてはいかがでしょうか。
関連記事:新規就農者へ贈る!農業を始める前に知っておきたい知識集

※参考URL
農林水産省、「こうして起こった農作業事故~農作業事故の対面調査から~(事故事例集)」
http://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/23taimen.html
農林水産省、「人材の育成・確保に関する資料」
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/bukai/H26/pdf/140422_02_03part1.pdf